日本とドイツ・スイスで作られる鍛造の結婚指輪の違いとは？

最近よく見かける、鍛造製法の結婚指輪。
当店でも沢山の鍛造リングを取り扱っています。

「鍛造」というのは、
結婚指輪の作り方のひとつです。
これは、金属をギュッと圧縮して作る製法で、
強くて変形しにくい指輪に仕上がります。

ただし、同じ鍛造製法でも、
日本とドイツ・スイスでは
作り方や特徴が違います。

今回は違いについて紐解いていきます！

目次

1. 日本の鍛造
2. ドイツ・スイスの鍛造
3. ドイツ・スイスの造りへのこだわり
4. 素材準備の時点での違い
5. まとめ

日本の鍛造

日本の鍛造は、職人の手仕事と機械を
組み合わせて作ります。
地金をプレスして延ばし、
輪っか状に型を抜きます。
この時のプレスする力は
数十トン～数百トンとなります。

輪っかの状態でくり抜いたものは、
平たく、指輪の形をしていないので、
形を整える為に一度輪っかを切断し、
指輪のように、丸く立体的な形になるよう
機械を使って曲げていきます。

形が立体的になったら溶接し、
継ぎ目を止めます。
ここから更に圧力をかけて仕上げていきます。

日本の鍛造の特徴は、
全てが機械で作られているわけではないので、
硬すぎず、着け心地が柔らかいのが特徴です。

硬すぎないからこそ、細かなデザインや
オーダーにも対応できる場合があります。

ドイツ・スイスの鍛造

ドイツやスイスは時計や精密機械づくりを
得意としており、
リング専用の鍛造機メーカーが
存在しています。

まずは金属の配合から始まり、
配合した金属を棒状に生成します。
そこから大型プレスで圧縮。
この時、金属をプレスする力は
1000トンを超えます。
圧縮した棒状の金属からリング状にくり抜き、
更にプレスしながら、
削り出しながら形成していきます。

日本とは違い、切断せず、継ぎ目のない
一体形成且つ、プレス力が違うので、
高密度で変形にとても強いリングが仕上がります。

ドイツやスイスの鍛造の特徴は、
機械による加工がほとんどであるため、
高精度な加工が可能であること、
硬さ、強度があるので、
長く美しい状態を保ちやすいのが特徴です。

ドイツ・スイスの造りへのこだわり

日本の作り方は柔軟性があり、
ドイツ・スイスに比べて加工しやすい
作り方ですが、なぜ作り方がちがうのか、
ドイツ・スイスの製法のこだわりを解説します。

１．一体形成の方が強度・精度が高い
　　日本の溶接する作り方だと、溶接部分の
　　金属組織が変化してしまうため、
　　どうしても強度が劣ってしまいます。
　　ドイツ・スイスは最初から
　　「継ぎ目のないリング」にすることで、
　　全体の密度を均一にし、強度を最大化します。

２．精密加工の文化背景
　　時計や精密機械産業の延長で
　　「加工精度を落とす要素は最初から排除」
　　という発想が根強く、
　　切断・溶接よりも塊から削り出す方が
　　規格通りの寸法や強度を安定して出せます。

素材準備時点での違い

ドイツ・スイスでは、一番最初の素材加工から
強度を意識した配合となっており、
日本の素材加工とは少し違います。

日本の鍛造素材
素材を加工する段階で、比較的柔らかめの
なじませやすいバランスに調整された
地金が多いです。
サイズ直しや加工のしやすさも考慮して
加工されます。

ドイツ・スイスの鍛造素材
かなり硬めで高密度な金属素材を用意します。
加工の段階で純度や比率の管理が厳密で、
均一性が非常に高いです。
その上で大型プレスで更に圧縮するので
最終的には非常に変形に強いリングになります。

まとめ

ここまで、日本とドイツ・スイスの
鍛造製法の違いについて解説しましたが、
同じ鍛造製法にも関わらず、
それぞれにこだわりのポイントがあり、
特化している部分は国ごとに違うという事が
分かります。

日本は、加工しやすい柔軟性
ドイツ・スイスでは、
強度・耐久性を意識した硬さ

皆さんはどちらの鍛造が
お好きですか？

私生活や、お仕事に合わせて
選ばれても良いですね。
是非店頭で比較してみて下さい。